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自転車に関する問題点
自転車が生産され使用されている限り、機能、コスト、安全、デザインその他いろいろの面で問題点は次々に提起されていて、その解決に試験研究は限りなく続けられるであろう。人間一機械一環境の相互関係、人と生産技術の関係などからふり返ったり、独創性を加えて絶えず努力するべきである。…
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技術開発のフィロソフィー(Philosophy)
技術開発に向かって我々はとにかく具体的なものを好み、抽象的なものは役立たないと考えがちだが、抽象的なことと、不明瞭なこととは全く違う。真に抽象的な認識が存在すれば、直面する問題を解決し、問題点を発見し創造性はきわめて現実なものとなるはずである。特許の取得につながる考え方について解説する。…
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異種材ろう付における母材の溶解-晶出
異種の母材の組合せでろう付けをする場合には両母材界面で溶融ろう中へ溶解するそれぞれの母材の平衡量に差があるから、一定のろう付温度で、一方の界面では母材が溶解し、他方の界面からはその溶けた成分金属が晶出してくる。この現象を正しくは握することにより、ろう付継手の機械的性質や耐食性を改善できる。…
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初心者が体験した米国製キットによるフレームの製作(3)
第3報として、フレームを手作り接合組立した後の各部仕上げ、ひずみ取り、検査、塗装作業(下地の準備、下塗り、上塗り)完成車への組立てまでの一連の作業をハンドブックの指針と自らの体験を対比させながら詳述している。…
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内外自転車部品の品質、性能(2)駆動部品
自転車の駆動関連部品一チェーンホイールセット、チェーン、多段フリーホイール、ディレイラを対象とし、主としてロードレーサ用の国内外一流ブランドと目される商品について、外観、強度、寸法精度、性能、加工法調査に至るまで詳細に調査、試験検討、比較を実施した。…
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車輪半自動組立機の改良試作研究
自転車の車輪半自動組立機の開発試作(昭和50年度)の結果からその改良研究として、仮組ユニット、ニップルの分配と圧送、テーブル送りおよびジグの割出し精度の向上などを行い、耐久性、信頼性の向上改良に努め、仮組立の手作業の省力化を意図し、締上装置を併用した装置として取りまとめてみた。…
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PCT-特許協力条約の概要
特許協力条約(PCT)は外口への特許(実用新案)出願手続を能率化し、外口特許取得しため利便を提供するものである。その特微、内容、口際出願、調査、公開、審査など一連の解説を行い、利用価値を高めるよう望んでいる。…
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NCワイヤカット放電加工に関する考察
NCワイヤカット放電加工法は急速に普及しつつあるが、現場で加工作業者が使い昜くより効率よく利用するにはソフトウエアの面で必ずしも十分でないため、活用性の向上を目的として、加工原理に基づく理解を行い、改良点を含めて解説を行った。…
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自動整列供給装置の防音対策(エレベータフィーダ)
プレス工場にてプレス周辺機器から発生する騒音の防音対策として、自動整列供給装置に着目し、市販のダンピングシートを用いて振動論的に基礎的な実験を行いその特性を解析した。さらに自動整列供給装置の現物ホッパモデルに対策を施して実験研究した。…
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流動浸漬法による粉体塗装の調査研究
流動浸漬粉体塗装法は公害防止対策用をはじめ種々の利点があるが問題点もある。自転車の塗装に応用するには塗膜の平滑性を良くし、薄膜化する必要がある。これらの結果を求めるべく最適塗装条件を統計的手法により求め、実験検討を行った。…
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車いす利用に関する実態調査(アンケート調査による)
車いすの日常的使用状況、使用上の問題点などを見出し、安全性の改善、JIS改正の資料ともすべく、アンケート方式により車いす利用者より回答を求め、(112名)結果をまとめたものである。
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自転車の安定走行の力学
自転車が安定進行走行できる理由として車輪のジャイロ効果によると考えるのはむしろ間違いであり、ハンドル操作によって車輪の接地点を急速に移動させ重心を常に前後輪接地線の真上にあるようさせていることにある。その根体は自転車のハンドル軸の傾斜により、前輪接地点がハンドル軸よりも後方にある(トレールがある)た…
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初心者が体験した米国製キットによるフレームの製作(2)
初心者として、フレームキットを購入して手作りにて作成した実際を詳細に述べている。本報では、特にろう付け加工を中心として、前準備、治具の重要性、ろう付けの”こつ”、などの体験を述べる。<3>へつづく。
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自転車の知識と技術(2)
前報に続いて力学、機械の要素などの基礎解説から、自転車部品への応用としてねじについて詳述し、現在用いられている小ねじの規格、種類などを説明している。
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自転車駆動部品の耐久試験機の試作
自転車の験動部品すなわちクランク、チェーンホイール、チェーン、スプロケットホイール、ディレイラなどの組合わせにおける強度、性能、耐久性などの試験調査を行うための試験機を試作し、一部試験を行い、今後の改良点などを考慮しつつ情報を述べる。…
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ストリームラインド・バイシクル
ストリームラインド・バイシクル(流線形自転車)の第4回スピード競技大会の実際について報告した。それら自転車の歴史から、理論的な解析、すなわち速度、出馬力、走行抵抗、空気抵抗、前面面積、フェアリングの機能など比較検討を加えて解析し、研究室の理論と実際の対比を論じている。…
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初心者が体験した米国製キットによるフレームの製作(1)
自転車マニアとして自らフレームを組立て製作した経験の詳細に亘つて述べている。組立てキットを購入し、マニアルに基づいて、未経験者でも熱意と注意をもって殆んど手作り作業でフレーム作成ができたことを述べる。<2>へつづく。…
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自転車の知識と技術(1)
人間と自転車の係わりを歴史的にもふり返り、基本的な力学の解説を加えつつ、日常的に簡単に見落されているような力学的な視点を主に説明を進めている。
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ブレーキの機能と人間の制動特性(第1報)
自転車走行における安全性、操縦性の研究の一環としてミニサイクルと婦人車を対象として、自転車側からみた制動時の種々の現象を中心に調べた。実走行とはいえ屋内実験のため、制約や条件設定の都合で、一般路上走行とは若干異なるかもしれないが、かなりの参考となるものと考える。…
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安定性の理論的研究(2)直進走行時の自転車の周波数応答関数
自転車走行の安全性の理論的研究の一環として、直進走行時のハンドル角と車体傾き角に関する周波数応答関数を採り上げ、簡単な力学的模型による周波数応答関数と実測値の比較検討を行った。
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自転車走行における効率の研究
フランク回転数ならびにギヤ比の組合せが走行時のエネルギ利用に与える影響を調べる実験過程において、座席の高さの変化と酸素消費量の関係、最も快適とされるペダリングピッチは毎分何回であるかなどを実験検討した。人間が最も快適とする回転数は男女とも66~67rpmであり、エネルギ効率から見た適正回転数は57~…
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自転車用バンドブレーキの鳴きに関する研究(その2)
自転車用バンドブレーキのライニング摩擦係数測定装置とブレーキ鳴き実験装置を用い各種特性測定試験を行った。鳴き音の発生源は主としてブレーキバンドの振動であること、ブレーキバンドの振動はライニングとドラムの接触面の不特定点に生ずる摩擦力の変動に起因する自励振動であることとがわかった。…
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前輪系諸寸法と高速走行特性
競輪競技のような高速走行における自転車側での設計資料は少なく、高速走行時に関する設計データは必要となる。機械的な方法によってそれらのデータを求めるため、昭和62年度に実験装置の基本部分の設計試作を行った。本年度はこの装置の改良を行い、これを用いてフレームの前輪系諸寸法を中心に実験データを求めた。…
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カム形ドラム式試験機による車輪の疲れ試験
前回、テーパ形ドラムとカム形ドラムの車輪疲れ試験機を試作した。テーパ形ドラムはハブわんが割れたり、リム周辺部の接触部分が削り取れたりして、スポークが切断しなかったので、この方式を断念した。カム形ドラムはスポークが切断するものの、後輪のスポークの首が延びたり、リムがやや損傷することから、段差30mmで…
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技術情報等提供ネットワークシステムの構築
昭和63年度から事業推進している異業種交流研究の一環として、当技研が長年の間に蓄積してきて自転車関係の技術研究報告、近年着手している車いす関係の技術研究報告および最新の技術文献資料等を整理し、自転車業界、福祉機器業界、それらの関係団体等に対して、技術情報を提供して交流の促進を図るため、コンピュータを…
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アモルファス時代に対処を
ここでは、アモルファスの本質について論ずるのが趣旨ではなく、それらのもつ構造の特徴が、我々の自転車のハードおよび使用あるいは産業振興などのソフト、この両面に当てはまる時代が来たことを言いたい。 従来の自転車の概念としての古典的な、整斉とした、「結晶」系を打ち砕いて行く時代となってきた。言わば、…
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高齢者向き自転車の試作研究
高齢化社会が目前に迫りつつある現状において、当研究所でも高齢者に向いた自転車はどうあるべきかということで基礎的調査研究を始めてから、2年が経過した。そこで、今年度(昭和63年度)は、これまでに得た調査研究データを参考として、自転車部品および自転車フレームについて検討し、設計・開発を行ったので報告する…
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衝撃試験時の前ホーク応力測定
多点同時計測となると、種々の面で非常に困難さを伴う。そこで、安価に行える、ひずみゲージを主に使用する多点計測小システムということに限定して検討を行った。計測制御用計算機として、PC9801Vm2にDMA機能付A/DコンバーターボードとPOボードを装着し、多点ひずみゲージを低接触熱起電力接点のリレース…
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第3車輪による制動距離の測定
現在、自転車の安全要件(ISO4210)の見直し作業が分科委員会で進められている。その中で、制動試験の条件などの見直し作業がワーキング・グループで行われており、我が国も初回から会議に参加していて、その動向を承知している。ここでは、この経過を明らかにして、そして当所が試験を行ってISOに報告した内容を…
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自転車の関する米国特許の紹介
1986年中に発行された米国特許明細書について、特に自転車に関するものを中心として紹介する。調査したのは国際特許分類(IPC)のB62H、B62J、B62K、B62L、B62Mです。上記IPCの分野の二輪車に関して1986年中に発行された米国特許明細書は264件、このうちオートバイや玩具三輪車や遊戯…
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コンピュータ利用によるオーダフレームの設計
コンピュータを利用した自転車設計システム開発のため、さきに「車種別の自転車設計システム」および「レーサ用オーダフレームの計算・作図システム」について研究し、報告した。その後実用化のための改良、拡充についての検討を行ってきた。今回はそのうちの「レーサ用オーダフレームの計算・作図システム」について、フレ…
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平成元年度技術研究所の事業計画
「研究業務」1.特別研究(1)自転車生産技術等調査研究、1)モノコックフレーム自転車の試作研究、(2)コンピュータを利用した強度解析法の研究、(3)自転車競技者の指導訓練用機器の機能拡張研究、(4)基礎的予備研究、2.異業種交流研究、(1)身体障害者用スポーツ機器に関する調査研究、「受託業務」、「広…
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衝撃試験時の前ホーク応力測定
衝撃試験の基礎データを得るため、強度評価については、応力との関連で考慮し、測定データを処理、加工することが必要である。そこで手軽に安価に行う方法として歪ゲージによる応力測定を多点でデジタル記録およびデータ処理を目指した小システムを作り、一部計測を行ったので紹介する。…
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「動く椅子」がコンセプトの高齢者用試作自転車を提案
高齢者に向いた自転車はどうあるべきか調査研究し、そこで得られた基礎的データ等を参考に検討したところ、椅子兼用自転車という構想がでた。そこで、もし自転車が椅子に変わり、休息を取りながら移動できる乗り物となれば、体力が低下した高齢者の行動範囲をさらに拡大することが可能となる上、自転車としての用途を広げる…
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バッタリンCFモノコックフレーム
イタリアのバッタリンブランドのものが輸入販売となったので、早速購入した。ビアンキのC4という立パイプのなくなったフレームと基本的な構造は同じと考えられ、同メーカーで作られていると思われる。 今回入手したものはフレームサイズ580mmで、フレーム体重量1560g、シートピラー取付金具11g、…
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金型設計システムの開発(その2)
スーパミニコンのCADソフトウエアICAD-SDS3を使用して、ストリッパ可動単抜き型設計システムを構築する準備の段階で、CADを使用した順送り金型の設計、および製作を実行した。その過程の中で開発作成した金型特有のサブルーチンを説明し、システムの構築に結び付けて報告する。…
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有限要素法による前ホークの構造解析
当技術研究所において、FACOMS-3300スーパーミニコンピュータシステムの設置以来、研究の一つとして、昨年度、有限要素法による構造強度解析プログラムFEM-Ⅲを使用したダイヤモンド形自転車フレームの構造強度解析とあわせて実施した実側応力値との比較検討を行い報告した。本年度は引き続き、自転車フレー…
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車いすの生産流通実態調査
今回の調査は、前回(昭和56年度)調査以降の変動の現状把握を旨とし、前回調査を基盤に車いす工業会資料等との相互補充を軸として実施した。このため、車いす工業会会員および従来から技術面で車いす業界とかかわってきた車いす研究会(当協会技術研究所事務局)を中心に車いす生産流通実態調査委員会を設け、調査内容、…
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台湾自転車産業の発展と今後の課題
台湾車のアメリカ輸出が始まったのは1967年で、価格が安いため台数は伸び4年後の1972年には130万台となったが品質は悪かった。 台湾の完成車一台当りのコストは、パーツが80%、あと製造費用、工賃、オーバーヘッドが20%で、このうち工賃は6.5~7%である。これからのアメリカ、ヨ…
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自転車部品のトラブル事例の収集と対策(6)
NO.9ギヤクランクの破損事例、競輪用自転車が競技中に転倒しギヤクランク、大ギヤが破損した事例である。ギヤクランクはA2014FD相当、大ギヤはA7075FD相当。全体的に延性破損を示すディンプル模様がみられた。転倒時の巻き込みによる強制的な破損と推定される。NO.10フレームの破損事例、競輪学校生…
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CFRP製自転車部品の形成
関西自転車工業協同組合が実施した「新素材形成加工技術の実用化に関する調査研究」事業において、技研大阪支所がこれに協力し、炭素繊維プリプレグ(一方向、クロス)を用いた炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製自転車サドル用板ばね、シートポスト、ドロップ形ハンドルバーおよびハンドルポストの成形実験を担当した…
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台上走行試験装置の機能拡張
当技研では、日本競輪学校の生徒に対する指導訓練用機器の一つとして、昭和58年に台上走行試験装置を開発製作し、同校に納入設置して生徒の体力検定用に稼動させていた。その後、同装置のペダル荷重測定用ペダルセンサ、ハンドル荷重測定用ハンドルセンサのそれぞれ予備用を製作して、装置のアフタケアに努めてきた。最近…
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設備紹介「走査型電子顕微鏡、JSM-330A型、日本電子(株)製」
大阪支所に新設された走査型電子顕微鏡は試料に対して電子銃より発射された電子線の二次電子、または反射電子を検出器により検出し、テレビジョンと同様の走査技術を用いて、ブラウン管のけい光面上に像を結ばせて、表面状態を観察するもので、光学顕微鏡より分解能が優れ、焦点深度が深く、めっき、塗装、陽極酸化被膜およ…
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新製品紹介「ケストレルCFモノコックフレーム」
アメリカCCI(Cycle Composit Inc.)製。今回入手したものは、フレームサイズ約545mmで、1600g強(フレーム体)の重量である。現在、外観調査しか行っていないが、金属部分としては、ベッドパイプ、シートパイプ(上側100mm)、ハンガ部、およびRエンドと、直付小物類、ワイヤ類の内…
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前後加振によるフレームの振動試験方法の研究
前年度は、ミニサイクルフレームを対象に前後車軸部非同期加振振動試験を実施し、フレーム振動試験方法の検討を行った。 今年度はスタッガード形フレームを対象に、前後加振、荷重分散、振動数、加速度などの因子を組み合わせて試験を行い、試験条件とフレーム破損部位の関係などを求めたので報告する。…
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黒色めっきの耐食性に関する調査研究
最近、自転車もカラフルな色彩が使われるようになり、その中で黒色の部品を使用した自転車も多く、オールブラックのものも見られるようになった。電気めっきにより表面を黒色化する方法として、従来からある黒色クロム、黒色ニッケル、亜鉛めっきの黒色クロメート、また最近ではすず-ニッケル、すず-ニッケル-銅などの合…
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自転車競技者の指導訓練用機器の機能拡張研究(第1報)
日本競輪学校では、昭和57年度からの3か年事業で、生徒の指導訓練用機器の近代化を計り、その後改善に対処してきたが、事業の推進については当技術研究所が行い、内容、成果などはその都度研究報告で報告してきた。昭和61年度は、開発・製作した台上走行試験装置の予備用ハンドルセンサの製作・納入、62年度は、同台…
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競技用自転車の基本設計の研究(第2報)
日本自転車振興会から要請を受け、競輪における落車事故防止のための研究に着手した。前報に述べたように、その一環として6台のトラックレーサを試作したが、これを対象として、日本競輪学校の協力を得て実車走行を主体としたフィーリングテストおよび高速走行特性実験により、フレームスケルトンの違いが高速走行特性にど…
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構造接着剤の自転車部位への適用について
自転車の高級車への転換のための一つの動きとして、ろう付または溶接継手から接着剤による接着継手に変わろうとしている。そのため、構造接着剤に対する期待は年々高まって来ている。 本報では自転車の構造部材として、多く使用され始めたアルミニウム合金管用に、当社が最も推奨する構造接着…
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金型設計システムの開発
これまでに当技研では、昭和60年度に更新されたコンピュータシステム(富士通S-3300)を使用して金型設計システムの開発研究を行ってきたが、昨年までの研究において、金型設計を行うにはメーカー標準のCADの機能だけでは不足であり、金型設計特有の図形計算処理が数多く必要となることが判明した。 …
研究内容
当技術研究所が、長年にわたって蓄積した技術的資料を公開・提供しています。
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