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簡易浸炭防止法
浸炭防止法としては適当な添加剤を加えた粘土類を被覆したり、あるいは銅のような浸炭温度では炭素を吸収しない金属をメッキしておく方法や、あらかじめ余肉をつけ、浸炭後余肉部を削り去る方法もある。これらのうち、銅メッキは完全な浸炭防止法であるが設備や手数が簡単ではない。そこで本実験では、簡単にしかも完全に浸…
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自転車部品の展望(その11)
これまで10回にわたり述べてきた内容の項目は次のようである。自転車部品の系統(国による系統、用途による系統)、自転車部品の性格(機能、構造、材料、工作、取扱、補修)、自転車部品の改良(歴史、製法改良、性能向上、新方式、新形式)、車輪(統括、発達の歴史、現況、リム、スポーク、ハブ)、チェンジギヤ(チェ…
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鉄系粉末ヤ金製品の浸炭熱処理
本稿は鉄系粉末ヤ金製品の浸炭熱処理について、主として文献を集録紹介したもので、一部私見を加えた部分もある。これによって粉末ヤ金部品の浸炭熱処理の特質の大要がわかっていただけると思うが、一般普通鋼の浸炭熱処理についても、多少示唆することがあれば幸いである。鉄系粉末ヤ金部品の性質は、その組成を変えること…
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板材の塑性加工性試験
金属薄板材料の被塑性加工性をなんらかの方法で試験する場合、目的とする製品への加工と比べて両者の応力分布の類似性も考慮されねばならぬ要素である。材料の被塑性加工性の問題は興味ある重要なことであるが、材料の種類と製品の形状、また塑性加工法のいろいろなどのため、簡単な問題でもなく、従ってその試験方法も決定…
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ロウ付の科学
溶融金属と母材金属との合金作用は重要な相互作用となる。溶融金属の表面張力、粘性、および融点を変えるために、接合部への溶融金属の流入に影響する。表面アラサもまた顕著な影響を与える。一般によくいわれるように表面のアラサは見掛けの表面積の6倍にも達する。このため80゜の接触角のものが0゜となる。 …
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バレル研磨と塗装の欠陥
(財)自転車技術研究所が技術研究指導業務の一環として、技術講習会を関東地区において開催し(昭和34年度第2回)゛バレル研磨と塗装゛を主題として講習を行ったのに続いて、その欠陥という問題を採り上げて、懇談形式にて質疑応答を行った際の摘録である。バレル研磨の部でテーマとなった事項は、故障の原因、実用性と…
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スポーク長サの算出について
当会は過般「自転車部品組合せ基準」作成委託事業報告を領布しましたが、8.車輪組み関係の項の後段(第16ページ)において、付図のスポーク組みや表のリム内側半径等に校正の手落ちがありましたので、ここに本誌面を借りて訂正し、あわせて計算例を少し補足します。車輪に限らず、すべて自転車組立と部品生産の合理化お…
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ベルの構造材質と音響の関係(3)
前二回までに報告した内容の大項目は、1.ベルの機能試験、2.ベル用歯車、3.ベルワンの音響、であった。今第三回(最終回)に述べる項目は次の通りである。4.亜鉛ダイカスト製ベルワンの音響と金相学的考察(4.1まえかき、4.2ベル、4.3ダイカスト鋳込条件と巣の発生、4.4金属組織、4.5カタサ測定試験…
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フランスの自転車試験法試案
この試験法試案は、1947年10月にフランス自転車規格局より、B.N.A.制定のための研究資料として発表されたものである。数値には空白があるけれども、自転車の強度、性能に関する考え方は参考になると思って、その全文を紹介した。すでにこの試験法は規格化されたと聞いているので、入手次第おって本誌に掲載する…
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インドの自転車規格について
インドの自転車規格はその歴史が比較的新しく、入手した規格は1954年より1958年にわたり、15規格であって、1955年までのものは一応試案となっているので、一定の準備期間をおいて検討の上、本規格として採用されるものと思われる。なお、入手したインド規格の種類(品名)はつぎのものである。自転車用フレー…
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ベルの構造材質と音響の関係(2)
自転車用ベルの音響学的考察はすでに自転車生産技術研究指導報告(1957)に資料してあるが、この実験では標準寸法を決めるための資料として、形状寸法と音響的諸要素との関係について二三の実験を試みたのである。すでにベルの振動数については、材料のヤング率(E)の平方根に比例し、密度(P)の平方根および振動部…
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ハンガラッグの冷間絞り加工
高級外国車によく使われている継ぎ目なし絞りハンガラッグの製造は、わが業界の長い懸案であったが、当研究所は鋼管より1工程で冷間成形する液圧法(バルジ法)に着目し、極軟引抜継ぎ目なし鋼管を用い多くの実験を重ねて、第1次試作に成功した。引き続き電縫鋼管を材料とする量産化により、軽量、高品位の絞りハンガラッ…
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前ホークの強度(4)
本稿の第1回において、日本でのロードレースにおいて異常に前ホークの破損が多いこと、それは使用されている前ホークが、フレームと一体での正しい設計、製作が行われていないことを強調した。これまで3回にわたり述べた項目は、故障の状況とその原因、前ホークの強度の考え方、用途による強度の違い、前ホークの強度に関…
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粉末ヤ金で自転車部品を
粉末ヤ金法は、複雑な形状を機械加工と同等あるいはそれ以上の精度、仕上に、プレスと焼結の工程により切り粉なしで製造する画期的技術として、新しく紹介されたものである。当研究所は先年最大級の能力を有する粉末ヤ金装置をドイツより輸入し、まずフリーギヤの研究に着手して、その第1次試作品はすでに実用試験の段階に…
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ロウ付の手引
今回は自転車製造の立場からは、浸炭焼入作業とともにきわめて重要な作業の一つであるロウ付を取り上げ、これについて平易な解説書をつくろうと思う。手引書である以上、記述はこの作業に必要な最小限の知識を平易にわかりやすく述べるにとどめた。内容は浸炭焼入の場合と異なり、その対象を自転車部品と限らず、一般的な立…
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バレル研磨の進歩
小物部品のメッキ前の素地前処理にはバレル研磨がすぐれた性能を発揮する。当研究所は優秀な設備と豊富な実験資料により、はやくから専門技術 の高い評価を博しているが、最近は回転バレル法ばかりでなく、振動バレル法やジャイロ仕上法(遠心高速仕上)にも先頭を切る研究が進められ、バレル研磨の利用面は大型製品にまで…
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塗膜カタサの鉛筆試験
塗膜に要求される機械強度的な性能は、密着のよいことのほか、カタサやネバサであるが、その塗膜の総合性能を判断することはなかなかむずかしい。塗装研究科ではツメ試験と同様な効果があって、しかも熟練度や個人差に左右されないような、鉛筆による塗膜カタサ試験器を試作した。鉛筆は市販の高級品(6H~4B)の心先を…
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前ホーク電気ロウ付法
当研究所では理化学研究所宮田博士指導のもとに、工業会から推薦された篤志メーカーの協力を得て前ホーク電気ロウ付法を研究し、ほとんど実用化に成功した。これによって作られた前ホークはスケールが少なく、ロウ切れもせず、仕上がり、強度のいずれもが優秀である。かつ能率が高く作業コストが低い上に作業に熟練の要なく…
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昭和34年度課題研究項目
A.総合研究室で実施するもの、粉末や金の応用研究、ほか7件。 B.東京指導所で実施するもの、自転車製造専門機ならびに自動化の設計、ほか1件。C.大阪指導所で実施するもの、冶工具・金型類の試作。D.特別委員会を設けて実施するもの、総合デサインの向上対策の研究。E. 公立研究機関・関連団体に委託するもの…
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ベルの構造材質と音響の関係(1)
82型自転車ベルの標準図を作成するにあたり、現在生産されている4社の製品について部品の寸法測定および機能、耐久試験を行なった。耐久試験ではベルを実際に使用するときと同じように運転条件をもつような往復動耐久試験機を試作して耐久性を調べた。その結果、市販ベルの共通な損耗部分を見出した。このほか、とくにベ…
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合成樹脂による接合
最近の進歩した合成樹脂接着剤により自転車車体の接合を行なえば加熱は200C゜以下で済むから鋼管の軟化の危険はなく、かつその表面処理においても従来の黄銅ロウ付に比べて手間が省けると思われる。しかし、これを直ちに自転車車体の接合に利用することには問題がある。したがって、今回は合成樹脂接着剤を自転車車体に…
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前ホークの強度(3)
本稿の第1回において、日本で行われるロードレースにおいて異常に前ホークの破損例が多いことから、それらに使用されている前ホークがサイクリング用車からの間に合わせなどであって、フレームと一体とした正しい接計、製作が行われていないことを強調した。前第2回までに述べた項目は、故障の状況とその原因、前ホークの…
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自転車塗装試験法-第3報-簡易退色試験法
元来複雑微妙な性質をもつ塗膜の諸性質を、適性簡明な試験結果として、ことに実際現場において求めることは技術上至難なことに属する。しかし、一般工場での必要性は試験方法の適用について、たとえある種の限定条件を伴っても被試験品のおおよその性質を知る程度にせよ、取扱の簡易な費用の少なくてすむ方法を求めてやまな…
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前ホークの強度(2)
前ホークの設計は前ホーク単独のものではなく、その自転車全体としての走行性能や機能と切り離せるものではない。したがって、常にフレームと関連しての前ホークを考えなければならない。自転車全体から考えれば前ホークの設計は、およそつぎのような三つの要因により決定されるべきである。イ.車の主用途、ロ.車の価格、…
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レベリング(平滑化)作用の強力な光沢青化銅メッキ法
銅メッキにより表面のアラサを消すような働きのある、いわゆるレベリング作用の強力な銅メッキが最近発表されたので、これについてとくにくわしく述べ、その他一般的な銅メッキ法についても紹介する。 銅メッキ法は大別して、酸性浴とアルカリ性浴の2種類に分けられる。酸性浴は硫酸銅浴、ホウフッ化物浴など…
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ハンガラッグの液圧成形
前年度においてハンガラッグのバルジ加工について、基礎的に六つの実験方法(液圧のみによるもの、一定液圧の状態のもとに可圧縮したもの、液圧上昇のままで圧縮したもの、切欠きを作って圧縮したもの、予備圧縮を加えて加工したもの、ストッパーを用いて加工したもの)を行ったが、材料不良、機械能力の不足などで、十分確…
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自転車塗装試験法-第2報-鉛筆によるカタサ試験
われわれは塗膜の機械的強度を説明するとき、可とう性とかカタサとかいう言葉を使うが、これはきわめて定性的で、測定方法によっていろいろ違った意味をもってくるもので、本質的な塗膜性能をいう場合には適当でない。一般に塗膜はつめでこすって傷のつかない程度のカタサを要求される。ひつかきや摩耗に対する抵抗は塗膜の…
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前ホークの強度(1)
現在の日本のロードレースに使用される車は、大部分は各メーカーの一般市販のサイクリング用車をそのまま流用したものか、一部は若干の設計や使用材料、装備を変えた程度である。これらの通常の使用では、前ホークの故障はそれほど発生していたとは思えないにもかかわらず、同じ車をロードレースに用いるとたちまち相当数の…
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高速度鋼工具の切削耐久力を増す蒸気ホモ処理と窒化処理
われわれが通常使用している高速度鋼工具の切削耐久力(とぎ直すまでの加工能力)を一層増加させるためには高速度鋼工具の表面に、切削に対してよりすぐれた性質をもつ表面保護層を形成させてやることが考えられる。このような表面層をうる方法として、水蒸気によって酸化層を付着させる蒸気ホモ処理と、青化塩浴中に浸せき…
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皇太子、同妃殿下への献上車について
今春4月10日の皇太子殿下御成婚の国をあげての祝福について、業界からの心からなるお祝いの現われとして、日本でできる「最高の自転車」を両殿下に献上してはどうかという声があがり、これが実現のために、34年3月末に広く業界団体からの「献上車実行委員会」が生まれた。打合せ会議を重ねた結果、次のように決定され…
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粉末ヤ金の実用生産化
昨年度に引続き粉末治金法によるフリーギヤの製造について、本年度の研究の主目的は製品の密度向上においた。このため、1.現有200tプレスの能力範囲内において、できるだけ最高の整形圧力、再加圧力、サンジング圧力を使用して密度の向上をはかる。2.数種の鉄粉を使用して、比較検討すること。3.合金鋼による材質…
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高周波加熱の応力
本年度は高周波誘導加熱の応力として焼入に関する研究を行なった。この研究の目的とするところは、自転車部品の焼入に関しては普通固形浸炭後焼入を行なうのであるが、全体加熱の全体冷却のためヒズミの発生が大きく、とくに焼入後の互換性に関しては、つねにヒズミが問題となっているわけであって、このヒズミを可及的に少…
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回転研摩(バレル仕上法)
バレル仕上におけるバレル内の粒体の流動運動の仕上機構の確立、専用メディア、合成メディアが製造され、さらに研摩能力を向上させるためのコンパウンドが使用されたことによりバレル仕上法は大いに普及した。しかしメディアとコンパウンドに関しては未解決の問題が多く存在する。当研究室では今年度、焼成した成形メディア…
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自転車部品の設計基準
さきに、同一形態で各部材肉厚の組合せを変えた男子用フレーム4台につき、3種類の前ホークを用いて静荷重試験、振動試験を行ない各種の結果について報告した。今回、部材肉厚を同一とし、上パイプの位置のみを変化せしめた婦人用スタッガード型フレーム2台と男子用フレーム1台を試作して、さきと同様の試験をなし、形態…
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合理的な抜取検査法
品質管理や抜取検査を早く自工場へ導入しようと望まれる現場技術者の多くが、第一に困惑されるのは見なれない統計数理である。もちろん統計的手法の理解をより深めることは、品質管理で用いられる多くの技法は統計的理論をもとにして作られているから、望ましいことではあるが、工場への適用に当たり不可欠のものとは思わな…
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自転車規格史特集
わが国の自転車は、戦前は機械輸出の最高峰であったこともあってその規格の歴史は古い。日本の自転車規格はこれまでの間に、時勢の変遷につれて、いくたびも改正され、次々と合理性を高め堅実に進んできた。その永い歴史を、このへんで一度ふり返ってみて、収録することとした。将来の技術の進歩のために、よい参考資料とな…
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ハブ鍛造用国産電気アプセッター
自転車ハブの鍛造加工に電気アプセット方式を取上げるべく、さきにOMES社製電気アプセッターを使用して実験を行ったところ、わかったハブ専用機として不備な点、あるいは機構上すぐれた個所や設計上改造を必要とする点を参考として、高性能の国産機を計画し、大阪電機(株)に製作を依頼し、昭和32年7月に電気アプセ…
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スポークの初期張力
自転車用スポーク車輪の初期張力については実際に組立てる場合はもちろん、車輪の強度などを研究するに当っても非常に大切な要素であり、張力の簡単な測定法の出現はとくに期待されていた。筆者は、最近簡単な原理によりスポークの商品性を失うことなく、また、他のスポークに影響をおよぼすことなしに、直接容易にその張力…
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自転車用赤色レフレクターの機能と性能試験法(5)
開発の遅れているレフレクターについて、基本的な問題から手を着け、その理論的解明と機能について調査研究と実験を重ね、一応系統的にまとめあげることができた。一方「性能試験機」についても試案ができたので本稿において紹介して、関係各位、とくに完成車メーカー、レフレクターメーカーの参考に資するべく、これまで4…
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微小カタサ試験機の利用法(とくに表面層の研究)
最近、測定装置が数グラムまで行える微小カタサ試験機が各方面で利用されるようになった。もちろんごく小さい品物のカタサを測ることを主目的とするが、その圧こんの小さいという特徴によって、メッキ層、浸炭層の表面層や金属組織の研究や検査にも利用でき、応用範囲はかなり広い。従って自転車工業においても活躍すべき範…
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鍛造型の損耗に対する表面処理の影響
型打鍛造作業において、型の損耗に対する研究は重要であるにもかかわらず比較的文献が少ない。筆者はK.Lange氏とH.Meinert氏共同研究による文献を入手することができたので、鍛造作業に従事しておられる諸賢に参考になればと考えて紹介するものである。内容項目は、1.鍛造型の表面処理法(機械的方法、化…
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海外の自転車技術を尋ねて-欧米通信、第12信
欧米の中小企業指導研究機関の調査を主目的とし、関連機械メーカーなども調査視察を行った報告の第12信(最終信)である。前回に引続きアメリカにおける調査である。1.アジャックス鍛造機工場、2.エキセロ工作機工場、3.ゼネラルモーター技術センター、4.シンシナチ工作機工場、5.バルカン工具工場、6.アーマ…
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スポークの強度(片平面曲げ疲労強度について)
スポークの疲労による破断個所、すなわち、頭部付根付近における局部的な応力は、引張、曲げ、ネジリ等いろいろな応力が組合わされて働いているものと考えられる。筆者らは線材の動的強度を究明するため、いろいろな種類の繰返応力のもとで疲労強度を分析し、応力の組合わせ、あるいは変動荷重のよる線材の疲労強度を解析し…
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自転車用赤色レフレクターの機能と性能試験法(4)
レフレクターの反射性能は、レフレクターという部品にとっては一番大切な機能でありながら、いままではまったく無視されていたことはすでに述べたとおりである。いくぶん熱心なメーカーでさえいたし方なしに、他の用途に用いる測定装置などの便宜的な手段によっていた。従って本当のレフレクターの反射性能を正しく、数値的…
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浸炭技術の歴史(2)
本稿はProduction Carburizingなる報告の訳文である。前回に続き固形浸炭法からガス浸炭へと設備変遷の歴史を主体に述べられている。 個形浸炭は過去の過去の古い遺物である。浸炭法は一世代で前世紀全体以上の進歩を遂げた。しかしながら、われわれはいつもガスで浸炭してきたのである。炭素質の…
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自転車と時計
スイスの時計産業は決してその歴史の最初から今日のように世界をリードしていたにではなかった。その技術はジュネーブに逃避してきたフランスの時計技術者たちによってもたらされ、16世紀の後半、ようやくスイス時計産業の礎が築かれた。18世紀の初頭にはロンドンが全世界をリードしていた。その後スイスの時計産業は次…
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イタリア製TAURUS車について
当研究室の岡本室長が海外出張に際し購入された自転車のうちの1台で、すでに本誌第47号にその概要を写真紹介されているが、たまたま同完成車を調査する機会を得た。軽量でしかも構造上の大きな特徴を有し、イタリヤ車の一つの方向を示すものと考えられたので、ここに参考に供する次第である。ここでは構造について少し詳…
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光沢測定について
われわれがここで測定しようとする光沢というのは、単なる視感上のツヤではなく、一応心理的要素を離れて、工業製品のもつ物理的な性質としての光沢を指しているといっても、全然心理的な要素を度外視するわけではなく、心理的な”ツヤ”すなわち人間のもつ視覚感度にできるだけ相関性をもった光沢度を測定することによって…
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自転車用赤色レフレクターの機能と性能試験法(3)
第一回にはレフレクターの現況について、第二回にはレフレクターとしての基本的事項について述べた。その中で、レフレクターがよく見えるための条件としてあげた三条件のうち最初の二つ、すなわち、方向性のある反射をする、全反射をするの条件を満足させるために、大部分のレフレクターは次ぎの三方式のいずれかを採用して…
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浸炭技術の歴史(1)
本稿はProduction Carburizingなる題のもとに書かれたErrest F.Davis氏の報告を訳したものである。浸炭技術が歴史的にどのような経過をたどって発達してきたかはわれわれ熱処理の技術者にとってきわめて興味あることであるばかりでなく「温故知新」の言葉に示されるように、こういった…
研究内容
当技術研究所が、長年にわたって蓄積した技術的資料を公開・提供しています。
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